脂質とは?どんな働きがあるのでしょう?

脂質とは?どんな働きがあるのでしょう?

脂質と聞くと何だか体に良くない脂のイメージですが、三大栄養素のひとつに数えられています。そうなくてはならない栄養素なのです。そんな脂質について掘り下げます。

脂質

脂質とは

私たちの身の回りの食材から手軽に摂れる脂質ですが、一体どのようなものなのでしょうか?
脂質は栄養素の中でも大切なものですが、ダイエットを考えている方などからすれば、あまり良いイメージを持たれていませんよね。
しかし、脂質も適度に摂取することによって私たちの体を健康に導いてくれたり、体を生成するのに必要な栄養素となっているのです。

 

脂質は、油脂とそれ以外の物質としてステロール類(コレステロールなど)、リン脂質、脂溶性ビタミンなどに分けられます。
常温で液体の油と常温で固体の脂があり、これらがまとめて油脂と呼ばれます。
そしてコレステロールですが、血中のコレステロールが多いと高血圧や心疾患を引き起こしてしまうなど、そういったところから脂質が「悪」のイメージが強くなってしまっているのでしょう。
リン脂質はタンパク質と結びつくことによって血液中を移動し、脂肪がエネルギーとして使われる際に必要な成分です。

 

脂質の働き

脂質の主な働きは、細胞膜を構成したり、ホルモンの材料となることです。
私たちは動いているときはもちろん、寝ているときもエネルギーを使っていますが、その際にも脂質が活躍しています。
身体を動かすエネルギーのもととなり、1gあたりのエネルギー生産量は炭水化物やたんぱく質の2倍以上となるので、脂質がないと元気で活動的に行動できないのですね。

 

その他、脂溶性ビタミンの吸収を助ける、体温を保つ、皮膚を保護する、血圧や筋肉をコントロールするなどの重要な働きもあるため、脂質は私たちの体にとって必ず必要な栄養素と言えるでしょう。

 

脂質の摂取量

脂質は摂りすぎると良くないと言われていますが、1日にどのくらいの量を摂取すれば良いのでしょうか。
年齢によって摂取すべき量は異なりますが、基本的に成人で1日に必要なエネルギーの20〜30%ほどを脂質からとるのがよいといわれています。
しかし、1日2000キロカロリー摂取すべき人が脂質55gで丁度良いところを、食生活の欧米化やライフスタイルの変化によってそれ以上摂取してしまっている人がほとんどです。
体にとって良い役割をしてくれている脂質ですが、やはり摂りすぎると良くないことも起こってしまいますので、注意が必要です。

 

脂質が多く含まれる食品

脂質を多く含む食品はその名の通り、「油」です。
植物油であるオリーブオイル、ごま油をはじめ、マーガリン、バター、ラードなどの動物油にもたくさんの脂質が含まれています。
くるみやアーモンドなどの種実類、牛肉、バラ肉、鶏肉の皮部分など肉類にも多く含まれています。
乳製品やお菓子、ケーキやココアなどの嗜好品にも多く含まれているので、食べ過ぎには注意しなくてはいけません。

 

脂質を摂り過ぎると

ついつい摂取しすぎてしまう可能性が高い脂質ですが、もし摂りすぎるとどうなってしまうのでしょうか。
皮下脂肪や内臓脂肪が増え、見た目中身ともに太ってしまう傾向があります。
体重が増えるのはもちろん、お腹を中心に全身に脂肪がつきスタイルが悪くなります。
内臓脂肪も増えるので、内臓疾患を引き起こしたり、体の働きを悪くしてしまいます。

 

悪玉コレステロールが増え、動脈硬化や心臓病の心配、メタボリックシンドロームになってしまう可能性もあるので、1日に必要な量のみを摂取することが大切です。
脂質が多いと感じる場合は、ヘルシーな食事に変えたり、適度な運動をすることでこういった体への悪影響を防ぐことが可能です。